誰もが知っているであろう「無印良品」。
今や海外においてもその販路を拡大している優良企業でもある「良品計画」の当時の社長が書いた本を紹介します。
著者「松井 忠三」無印良品は仕組みが9割
この本では、12年前に38億円の赤字を出して経営危機に陥った良品計画を、著者の松井忠三によって奇跡的なV字回復を成し遂げた際のエピソードが書かれています。
企業の成長のために何が必要なのか、とてもシンプルにそしてわかりやすく書かれています。
無印良品が好きな方や、良品計画の企業理念を知りたい方はぜひ参考にしていただけたらと思います。
シンプルに仕事ができる仕組みがあれば、無駄な作業がなくなる
無印良品では、店舗で使用する「MUJIGRAM」というマニュアルと、店舗開発や企画室など本部の業務をマニュアル化した業務基準書が存在します。
この二つのマニュアルには経営から商品開発、売り場のディスプレイや接客まですべてのノウハウが書き記されています。
なんと「MUJIGRAM」は2,000ページにも及ぶボリュームだそうです。
これほどの膨大なマニュアルを作ったのは「個人の経験や勘に頼っていた業務を”仕組化”しノウハウとして蓄積化するため」です。
「MUJIGRAM」マニュアル作成のメリットとは?
無印良品は、この「MUJIGRAM」によってあらゆる業務を標準化することに成功しました。
そして、生産性の向上のため「情報を共有する仕組み」を構築し、仕事にスピード感が生まれ、「経験と勘を蓄積する仕組み」により人材を流動的に活用できるようになったのです。
マニュアル作成のメリットとして、「何を実行するのか」という仕事の軸をブレさせずに、チームの実行力を高められると著者はいいます。
仕事の細部こそマニュアル化すべきで、あらゆる仕事を標準化することにより、今までの業務を改善し、仕事の本質を見直せます。
マニュアルの更新が続く限り企業の成長は止まらないのです。
「上司の背中だけを見て育つ」文化との決別!?
昭和世代の激動の時代を生きてきた社会人の方々はありがちな”教育方針”ではないでしょうか?
手取り足取り教えてくれる上司は稀で、「黙って背中を見て覚えろ」的な教育方針が横行していたのではないでしょうか?
しかし、良品計画はそのような文化との決別を図り、仕事の本質を見直したのです。
「標準なくして改善なし」という言葉を念頭に、知恵を共有し、経験とノウハウを蓄積し、チーム全員の顔向きを揃えて仕事の本質を見直しました。
著書にある「変化こそ成長の源泉である」という言葉の通り、見事、無印良品は赤字企業からV字回復を遂げたのです。
まとめ
この本では、仕事の標準化がいかに重要か書かれています。
あらゆる仕事を標準化することで、属人的な業務はなくなり、すべての業務を新入社員でもこなせるレベルまで徹底して、具体化しています。
マニュアル化することでもたらすメリットとは5つあります。
一つ目は、「知恵を共有できる」。
知恵を共有することで成果を出しやすい仕組みを作っています。
二つ目は、理念の統一です。
従業員全員が同じ方向を向き、徹底してマニュアルを実践することで無駄のないサービスをお客様に提供することができます。
三つ目は、生産性の向上です。
徹底して無駄を省き、利益に還元するのです。
このメリットをとことん追求し、良品計画はV字回復を果たし、超優良企業へとなったのです。